異様

 心療内科の帰りに、一○堂というラーメン屋に寄った。

店員に一人ということを伝えると、一つのカウンター席に案内された。

驚いたことに、この店は注文をスマホでオーダーするという。世の中には、昔のエドシーランのように携帯を持たず日曜にだけ世間とメールでコンタクトするという立派な戦士が存在するというのに、さもスマホが現代の生存切符であると言いたげなこのような仕組みに辟易するとともに、息苦しさを感じる。

 

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 赤がなんだか、白がなんだかわからないまま、適当なものを注文する。

店内は店員が兵隊のようにセコセコ働き(自分も社会人のときは当然、優秀な兵隊を演じている)、元気よく何か形式ばったことを大声で叫んでいる。

 

 僕は恐怖を感じた。僕たちはまるで工場のベルトコンベアに乗った部品のように一つ一つ決まった場所にあてがわれ、現代の切符から大なり小なり似たようなよくわからない選択をし、(これは実際には選択をしているのだが、没個性的なものを選択している時、我々は選択させられている)、決まった時間で決まった味のものを提供される。何に対してかわからないがとにかくこれで許してくれと、お代をはらいそそくさと店を出る。

これはまるで大企業、資本主義の縮図。御用がすめば放免だ。

 

ロボットのように働く店員たち、それに違和感を持たないどころか、このような店が好きな人種がいることに恐ろしさを感じてしまう。俺は異常なのか?